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2025.05.22

エコキュートの選び方を徹底解説!容量目安、主要メーカー比較、失敗しないポイント

光熱費の高騰や環境問題への意識から、エコキュートへの関心が高まっています。

  • 「エコキュートを導入したいけれど、種類がたくさんあって、どれを選べばいいか分からない…」
  • 「容量はどれくらい必要?」
  • 「メーカーごとの違いは?」

といった疑問をお持ちではないでしょうか。

エコキュートは一度設置すると長く使うものだからこそ、ご家庭に最適な一台を選ぶことが非常に重要です。選び方を間違えると、お湯切れの心配をしたり、無駄なコストがかかったりと、後々後悔することにもなりかねません。

この記事では、あなたがエコキュート選びで失敗しないよう、以下のポイントを徹底的に解説します。

  • ご家庭にぴったりのタンク容量の選び方(人数・ライフスタイル別)
  • 主要エコキュートメーカー(パナソニック、三菱、ダイキン、日立、コロナなど)ごとの特徴と違い
  • 設置場所、費用、保証など効率的に選ぶための重要チェックポイント

この記事を最後までお読みいただければ、ご自宅の状況やご家族のライフスタイルに最適なエコキュートを見つけるための具体的な知識と、失敗しないためのチェックリストが手に入ります。

「エコキュートの選び方」で迷ったら、ぜひこの記事を参考に、賢く快適なエコキュートライフを実現してください。

目次

1.エコキュートの基本を知る

エコキュートに関心はあるけれど、名前は聞いたことがある程度…」という方もいるかもしれません。まずは、エコキュートがどのような仕組みで、どんなメリット・デメリットがあるのかを理解しましょう。 エコキュートの導入を検討する上で、これらの基本情報を把握しておくことは非常に大切です。

(1)エコキュートとは?仕組みとメリット・デメリット

エコキュートとは、「自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機」の愛称です。大気中の熱を利用してお湯を沸かす、省エネ性の高い電気給湯器です。エアコンの室外機のようなヒートポンプユニットで熱を作り出し、貯湯ユニットに貯めた水をお湯に変えます。

<仕組み>

  1. 外気の熱をヒートポンプユニットが取り込む
  2. 取り込んだ熱で冷媒を温める
  3. 冷媒の熱を水に伝えお湯を沸かす
  4. 沸かしたお湯を貯湯タンクに貯める

主に深夜の割安な電力を利用してお湯を沸かすため、光熱費の削減につながります(電力会社により異なります。ご契約中の料金体系をご確認ください)

<メリット>

  • 光熱費の削減(特に電気代)
  • 環境負荷が少ない(CO2排出量を削減)
  • 火を使わないため安全性が高い
  • 災害時に貯湯タンクのお湯(水)を利用できる場合がある

<デメリット>

  • 初期費用が高め
  • 貯湯タンクの設置スペースが必要
  • 湯切れの可能性(使用量が多い場合)
  • 沸き上げ時の運転音がする

エコキュートは、環境にも家計にも優しい給湯器ですが、設置場所やライフスタイルに合った機種を選ぶことが重要です。

(2)貯湯方式の種類(フルオート、オート、給湯専用)

エコキュートの給湯機能には、主に以下の3つの貯湯方式があります。ご自身のライフスタイルに合わせて選びましょう。

  • フルオートタイプ
    お湯はり、追いだき、保温、たし湯まで、すべて自動で行います。浴槽のお湯を循環させて温め直す追いだき機能や、設定水位より減った場合に自動でお湯を足す機能があり、快適な入浴をサポートします。
  • オートタイプ
    お湯はりは自動で行いますが、保温、たし湯は手動で行うタイプです。フルオートより機能はシンプルですが、基本的な自動お湯はり機能があれば十分という方に向いています。
  • 給湯専用タイプ
    蛇口をひねってお湯を出すことだけができるタイプです。お湯はりは手動、追いだき機能はありません。最もシンプルな機能で、主に給湯のみを利用する場合に適しています。
貯湯方式お湯はり追いだき保温たし湯
フルオート自動自動自動自動
オート自動手動手動(高温さし湯)手動
給湯専用手動なしなしなし

ご家族構成や入浴スタイルによって、最適な貯湯方式は異なります。機能が多いほど本体価格は高くなる傾向がありますので、必要な機能を見極めることが大切です。

2.適切なタンク容量の選び方:家族構成とライフスタイル別

エコキュートの容量を選ぶ際、家族構成は重要な要素です。しかし、それだけでなく、各家庭のライフスタイルも考慮に入れる必要があります。

例えば、入浴時間が異なる家族がいる場合や、在宅勤務で日中も頻繁にお湯を使う場合などは、使用量が多くなりがちです。

具体的にどんなポイントを考慮する必要があるのか確認していきましょう。

(1)タンク容量が足りないとどうなる?

エコキュートのタンク容量が家族の使うお湯の量に対して不足している場合、主に以下のような問題が発生します。

  • 湯切れの発生: 設定したお湯の量がなくなり、お風呂やシャワー、キッチンなどで急にお湯が出なくなります。特に家族が続けてお湯を使う時間帯に発生しやすくなります。
  • 沸き増しの頻度増加: 湯切れを防ぐために、エコキュートが頻繁にお湯を沸き増しするようになります。
  • 電気代の増加: 沸き増しは、主に料金の高い昼間に行われることが多く、結果として電気代が高くなってしまいます。エコキュートの省エネ性が十分に活かせません。
  • 不便さとストレス: 湯切れは日常生活における大きなストレスとなり、快適な生活が損なわれます。

これらの問題を避けるためにも、ご家庭の人数やライフスタイルに合った適切なタンク容量を選ぶことが非常に重要です。次の項目では、具体的な容量の目安について詳しく解説します。

(2)1日に使用するお湯の量はどれくらい?

エコキュートのタンク容量を選ぶ上で、ご家族が1日にどれくらいお湯を使うかを把握することが重要です。一般的な目安は以下の通りですが、ご家庭の生活習慣によって変動します。

人数1日の使用量の目安
1~2人150~300リットル
3~4人400~750リットル
4~5人750~900リットル
5人以上900リットル~

この目安は、シャワー、お風呂の追い焚き、洗い物、洗面所での使用など、生活全般で使うお湯の総量を考慮したものです。

ただし、これはあくまで平均的な数値です。例えば、以下のような場合は、この目安よりも多めに見積もる必要があります。

  • 毎日シャワーを長時間使う
  • お風呂の追い焚きや足し湯を頻繁に行う
  • 来客が多い
  • 浴室暖房乾燥機など、お湯を使う設備が多い

ご家族の具体的なお湯の使い方を思い出し、目安を参考にしながら必要な容量を検討しましょう。ライフスタイルを考慮した選び方について詳しく解説します。

(3)ライフスタイル(シャワー頻度、来客、入浴剤使用など)について考えよう

エコキュートのタンク容量を選ぶ際は、ご家族の人数だけでなく、以下のようなライフスタイルも考慮することが重要です。

  • シャワーの使用頻度・時間: 朝シャンをする方が多いご家庭や、一人あたりのシャワー時間が長い場合は、想定より多くの湯量が必要になります。
  • 入浴スタイル: 追い焚きや高温さし湯を頻繁に行う場合、その都度お湯を消費します。特に、様々な入浴剤を使用される方は、配管クリーン機能などが充実したモデルを選ぶと、より快適にご利用いただけます。
  • 来客の頻度: ご親戚やご友人がよく宿泊されるご家庭では、一時的に湯量の使用量が増えます。普段より少し大きめの容量を選ぶか、不足時に沸き増ししやすい機能を備えた機種を検討しましょう。
  • 時間帯別の使用状況: 朝と夜に集中してお湯を使うのか、一日を通して分散して使うのかによっても、最適な容量や沸き上げモードが変わってきます。

これらの要素を考慮することで、普段の生活で湯切れを起こしにくく、快適にエコキュートをお使いいただけます。ご家族の日常的なお湯の使い方を具体的にイメージしてみましょう。

(4)将来的な家族構成の変化も見込んでおく

エコキュートは一度設置すると長期間使用する設備です。そのため、現在の家族構成だけでなく、将来の変化も考慮してタンク容量を選ぶことが大切です。

例えば、以下のような変化が考えられます。

  • お子様の成長: 小さいうちはお湯の使用量が少なくても、成長と共に増える可能性があります。
  • 家族が増える可能性: 結婚、出産、二世帯同居なども考慮に入れましょう。
  • 親との同居: ご両親との同居を検討されている場合、使用量は大幅に増えます。

現在の使用量ギリギリの容量を選ぶと、将来お湯が足りなくなる可能性があります。少し余裕を持った容量を選ぶことで、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。

現在の家族構成5年後・10年後の予測推奨される容量の考え方
夫婦2人子供が1~2人増える可能性現在の目安+αの容量を検討
夫婦+子供1人子供がもう1人増える可能性現在の目安+αの容量を検討
夫婦+子供2人子供が成長し使用量が増加現在の目安より大きめを検討

少し大きめの容量を選んでも、賢く沸き上げ設定をすれば無駄な電気代は抑えられます。長期的な視点で検討しましょう。

3.主要エコキュートメーカーの特徴と違いを比較

各メーカーは、独自の技術や機能で差別化を図っています。ここでは、主要メーカーであるパナソニック、三菱電機、ダイキン、日立、コロナ、東芝、長府製作所の特徴と、人気シリーズの傾向を比較します。ご家庭のニーズに合ったメーカー選びの参考にしてください。

(1)パナソニック

パナソニックのエコキュートは、独自の先進技術による高い省エネ性能と、快適性・清潔性にこだわった機能が特徴です。

特に、省エネ大賞受賞歴もある独自の真空断熱材や、AIがお湯の使い方を学習して最適な運転を行う「おまかせ」モードなどにより、効率的な給湯を実現しています。

また、清潔機能にも力を入れており、配管自動洗浄機能はもちろん、機種によってはふろ水のUV殺菌機能や、浴槽内の水にマイクロバブルを発生させる機能なども搭載しています。

高圧給湯タイプもラインナップされており、シャワーの勢いを重視する方にも対応しています。

主なシリーズには、多機能な「プレミアムクラス」や、省エネと快適性を両立した「フルオートシリーズ」などがあります。

特徴内容
省エネ性能真空断熱材、AI学習機能
清潔機能配管自動洗浄、UV殺菌、マイクロバブル
主なシリーズプレミアムクラス、フルオートシリーズ

幅広いニーズに対応できる製品ラインナップが魅力と言えるでしょう。

(2)三菱電機

三菱電機のエコキュートは、特に高圧給湯と独自の清潔機能に強みを持っています。

  • 高圧給湯: 浴室にマイクロバブルを発生させる「ホットあわー」など、快適な入浴をサポートする機能が充実しています。
  • 清潔機能: 業界初の「キラリユキープPLUS」は、深紫外線を照射してふろ配管内のお湯の菌の増殖を抑制し、いつでも清潔なお湯を保ちます。また、浴槽の栓を抜くと自動で配管掃除をする「バブルおそうじ」機能も人気です。
  • その他: 省エネ性能も高く、年間給湯保温効率に優れたモデルも多数ラインナップしています。

主な人気シリーズは「Sシリーズ」「Pシリーズ」「Aシリーズ」などがあり、高機能な上位モデルから基本的な機能を持つモデルまで幅広く選べます。特に「Pシリーズ」は高圧給湯と清潔機能に優れ、「Sシリーズ」は省エネ性が高い傾向にあります。

シリーズ特徴
Pシリーズ高圧給湯、清潔機能が充実
Sシリーズ高い省エネ性能
Aシリーズ基本機能モデル

パワフルなシャワーや清潔なお湯にこだわりたい方におすすめのメーカーと言えるでしょう。

(3)ダイキン

ダイキンは、空調機器メーカーとして培った高い技術力を活かしたエコキュートを提供しています。特に、パワフルな高圧給湯と、快適な入浴をサポートする機能が特徴です。

主な特徴:

  • 高圧給湯: 浴室と台所など複数箇所で同時にお湯を使っても、勢いの良いシャワーを利用しやすい「パワフル高圧給湯」に強みがあります。これにより、3階建ての住宅でも快適な給湯が可能です。
  • 快適機能: 浴槽のお湯の温度を自動でキープする「保温」機能や、配管を清潔に保つ機能など、日々の入浴を快適にする機能が充実しています。
  • 省エネ性: 最新モデルでは、AIが学習して最適な沸き上げを行うなど、高い省エネ性能も追求しています。
シリーズ特徴
フルオートパワフル高圧、充実した快適機能
給湯専用らくシンプルな給湯機能に特化
寒冷地仕様-25℃まで対応

特にパワフルな給湯を重視する方や、快適なバスタイムを求める方におすすめのメーカーと言えます。

(4)日立

日立のエコキュートは、「ナイアガラタフネス」や「ナイアガラ出湯」といったパワフルな高圧給湯機能が特徴です。特にシャワーの水圧にこだわりたい方や、2箇所以上でお湯を同時に使うことの多いご家庭に適しています。

主なシリーズとしては、プレミアムモデルの「日立 エコキュート 標準タンク」があり、快適な入浴をサポートする機能が充実しています。

日立の特徴をまとめると以下のようになります。

  • 強み: 水道直圧フルオート(ナイアガラ出湯)、耐久性
  • 主な機能: ナイアガラタフネス(高硬度水・井戸水対応)、高速湯はり、シルキー快泡浴(一部モデル)
  • ターゲット: シャワー水圧を重視する家庭、硬水地域

また、凍結防止機能など寒冷地向けの機能も強化されており、幅広い地域に対応できるモデルをラインナップしています。信頼性とパワフルさを兼ね備えたメーカーと言えるでしょう。

(5)コロナ

コロナのエコキュートは、使いやすさと充実した機能が特徴です。特に省エネ性能に力を入れており、独自の技術で効率よくお湯を沸かせます。

コロナの主な特徴:

  • 省エネ性能: 高い省エネ基準達成率を誇るモデルが多いです。
  • 快適機能: 入浴の快適性を高める機能(例:高圧パワフル給湯、ふろ自動保温など)が充実しています。
  • 清潔機能: 浴槽の配管を自動洗浄する機能などを搭載したモデルもあります。

また、ラインナップが豊富で、様々な設置場所やニーズに対応できるモデルが揃っています。特に、省スペース設計のモデルや、寒冷地仕様の製品にも強みを持っています。

シリーズ特徴
高圧パワフル給湯シャワーやキッチンなど同時使用でも快適な給湯
省スペース・スリム狭い場所への設置に適したコンパクト設計
寒冷地仕様低外気温でも安定した能力を発揮

信頼性と手頃な価格帯も魅力の一つと言えるでしょう。シンプルながら必要な機能が揃っており、多くの方に選ばれています。

(6)東芝

東芝のエコキュート「ESTIA(エスティア)」シリーズは、特に高圧給湯と快適性に強みを持っています。

主な特徴は以下の通りです。

  • パワフル給湯: 浴室とキッチンなど複数箇所で同時にお湯を使っても水圧が下がりにくく、快適なシャワーや湯はりが可能です。
  • エコモード: 独自の省エネ制御により、効率的な運転を行います。
  • 銀イオンの湯: 一部のモデルには銀イオン発生ユニットが搭載されており、お湯や配管を清潔に保つ機能があります。

ラインナップは、パワフル給湯を重視したモデルや、省エネ性を高めたモデルなど、幅広いニーズに対応しています。特にシャワーの水圧にこだわりたい方や、清潔機能を重視する方におすすめのメーカーと言えるでしょう。

シリーズ名主な特徴
ESTIA 6シリーズ省エネ性、コンパクトモデル

24 年春で国内向け新規販売終了。詳細は公式サイトや製品カタログでご確認ください。

(7)長府製作所

長府製作所は、給湯器メーカーとしての長い歴史を持ち、エコキュートにおいても信頼性の高い製品を提供しています。特に、独自の技術による高効率な製品や、耐久性を重視した設計が特徴です。

  • 特徴:
  • 独自の「スマート制御」による省エネ運転
  • 耐久性の高い設計
  • コンパクトな機種もラインナップ
  • 地域特性に合わせたモデル(寒冷地仕様など)も豊富
  • 製品ラインナップの傾向:
  • 省エネ性能とコストパフォーマンスのバランスが良いモデル
  • 設置場所に合わせたスリム型やコンパクト型
  • 使いやすさを考慮したリモコン操作

長府製作所のエコキュートは、安定した性能と耐久性を求める方に適しています。特に、設置スペースに限りがある場合や、シンプルで信頼性の高い機種を選びたい場合に検討する価値があります。長年の給湯器製造で培われた技術が活かされています。

(8)各社の人気シリーズや製品ラインナップの傾向

各メーカーはそれぞれ特色のある人気シリーズを展開しています。

  • パナソニック
  • 「Wシリーズ」「Lシリーズ」など、高い省エネ性能と多彩な便利機能が特徴です。特に、湯船のお湯を循環させて温め直す「ふろ自動追いだき」や、配管を清潔に保つ機能に強みがあります。
  • 三菱電機
  • 「Sシリーズ」「Pシリーズ」などが人気です。高圧給湯に定評があり、シャワーの勢いを重視する方におすすめです。また、独自のキラリユキープ機能など、お湯の清潔さへの配慮も特徴です。
  • ダイキン
  • 「EQ」シリーズが主力です。ウルトラ高圧給湯タイプや、マイクロバブル入浴機能付きモデルなど、多様なニーズに応える幅広いラインナップが魅力です。寒冷地仕様にも力を入れています。
  • 日立
  • 「BHP」シリーズを展開。水道直圧給湯タイプがあり、貯湯式ながら快適なシャワーが得られます。入浴剤への対応など、日常の使い勝手を考慮した機能も搭載されています。
  • コロナ
  • エコキュートを最初に開発したメーカーの一つです。シンプルな機能で価格を抑えたモデルから、高機能モデルまで幅広く揃えています。特に、耐久性やメンテナンスのしやすさに定評があります。
  • 東芝
  • 「HWH」シリーズが中心です。銀イオンの力で菌の繁殖を抑える機能など、清潔性を重視したモデルがあります。省エネ性能と快適性のバランスが良いのが特徴です。(ESTIA シリーズは 2024 年3 月末で製造・販売終了。在庫品のみ、サポートは10 年間継続)
  • 長府製作所
  • 特定の販売ルートに強いメーカーです。高圧給湯タイプや、狭い場所にも設置しやすい薄型タイプなど、独自の製品ラインナップを持っています。

このように、メーカーごとに得意とする機能やシリーズの傾向が異なりますので、ご自身の優先順位に合わせて比較検討することが重要です。

4.エコキュートを効率的に選ぶためのポイント

ポイントは多岐に渡ります。本体価格だけでなく、設置費用、ランニングコスト、そして将来的なメンテナンス費用も考慮に入れる必要があります。また、お住まいの地域特性に合わせた機種選びも重要です。寒冷地や沿岸部では、それぞれ専用の対策が施されたモデルを選びましょう。

(1)設置場所の確認と本体サイズ

エコキュートは、屋外に設置する貯湯ユニットとヒートポンプユニットで構成されます。設置場所を検討する際は、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 設置スペース: 必要な設置面積(幅・奥行き)を確認します。カタログやメーカーサイトで確認可能です。特に貯湯ユニットはサイズが大きい傾向があります。
  • 搬入経路: 本体を設置場所まで運ぶ経路(門扉、通路、階段など)に十分な幅や高さがあるかを確認します。クレーン搬入が必要になる場合もあります。
  • 基礎: 貯湯ユニットは重量があるため、しっかりした基礎が必要です。コンクリート基礎が一般的ですが、設置場所に適した基礎工事が可能か確認します。
  • 配管・配線: 設置場所から浴槽や台所までの配管、および電源(200V)の配線ルートも考慮が必要です。
  • 騒音: ヒートポンプユニットは運転時に多少の運転音が発生します。隣家への配慮として、設置場所を選ぶ際は窓から離すなど、騒音対策も検討しましょう。

高さは 1.8 m 前後が一般的で、配管スペースを含め 1.9 m 近くになる場合もあります。メーカーや容量によって本体サイズは異なります。事前に設置予定場所の寸法を測り、希望する機種が設置可能か必ず確認してください。

ユニット主な設置場所サイズの傾向
貯湯ユニット屋外幅60~70cm、奥行70cm~1m程度、高さ1.8m~2.3m程度
ヒートポンプ屋外幅80~90cm、奥行30~40cm、高さ60~70cm程度

(※サイズは目安であり、機種により異なります。)

これらの確認を怠ると、設置工事ができなかったり、追加費用が発生したりする可能性があります。

(2)寒冷地仕様や塩害地仕様の必要性

エコキュートは設置場所の環境に適した仕様を選ぶことが非常に重要です。特に、寒冷地や塩害地にお住まいの場合は、それぞれの環境に特化した製品を選ぶ必要があります。

寒冷地仕様

  • 特徴: 外気温が低い地域でも安定してお湯を沸き上げられるように設計されています。
  • 機能: ヒートポンプユニットの凍結防止対策(循環水のヒーター加熱など)や、低温でも効率良く運転できる性能を備えています。
  • リスク: 標準仕様を寒冷地に設置すると、沸き上げ能力の低下や機器の故障リスクが高まります。

塩害地仕様

  • 特徴: 海岸近くなど、潮風による腐食の影響を受けやすい地域向けです。
  • 機能: 本体や配管に防錆処理が施されており、腐食に強く設計されています。
  • リスク: 標準仕様を塩害地に設置すると、機器の劣化が早まり、寿命が短くなる可能性があります。

ご自宅の地域がこれらの条件に当てはまるかを確認し、適切な仕様のエコキュートを選ぶようにしましょう。メーカーのカタログやウェブサイトで、対応地域や仕様について詳しく確認できます。

(3)初期費用とランニングコストのバランス

エコキュート選びでは、購入時の初期費用だけでなく、長期的なランニングコストも考慮することが重要です。本体価格が安くても、電気代が多くかかる機種ではトータルの費用が高くなる可能性があります。ランニングコストは電気料金単価・外気温で変動します。

ランニングコストは、主に以下のような要素で変動します。

  • COP(成績係数): 省エネ性能を示す指標。数値が高いほど効率が良い。
  • 断熱性能: 貯湯タンクの保温性能。
  • 沸き上げモード: 湯切れしにくいか、深夜電力活用など。

高性能な機種は初期費用が高い傾向にありますが、ランニングコストが抑えられるため結果的に経済的になるケースが多いです。

比較項目初期費用ランニングコスト長期的な経済性
高性能・高価格帯高い低い良い傾向
標準・低価格帯低い標準~やや高い要検討

ご家庭の使用状況や設置環境、使用期間などを考慮し、初期費用とランニングコストのバランスを見極めることが、賢いエコキュート選びにつながります。保証期間やアフターサービスも合わせて確認しましょう。

(4)利用可能な補助金制度

エコキュートの導入にあたっては、国の補助金や地方自治体独自の補助金制度を活用できる場合があります。これらの補助金は、初期費用を大幅に軽減するために非常に有効です。

国の補助金制度

給湯省エネ2025事業: 経済産業省主導の事業で、高効率な給湯器(エコキュートを含む)の設置に対して補助金が交付されます。補助額はその年度の事業内容や設置する機器の性能によって変動しますが、過去には定額の補助が行われています。

地方自治体独自の補助金

多くの市区町村でも、再生可能エネルギー機器や省エネ機器の導入促進のため、独自の補助金制度を設けています。補助額や対象となる機器、申請条件などは自治体によって異なります。

補助金の情報は年度ごとに更新されることが多いため、最新の情報を確認することが重要です。

補助金の種類主な実施主体チェックポイント
給湯省エネ事業国(経済産業省)事業期間、対象機器、補助額、申請期間
地方自治体補助金各市区町村居住地の自治体、事業期間、対象機器、補助額、申請条件

導入を検討する際は、必ずお住まいの地域の最新の補助金情報を確認し、有効活用することをおすすめします。申請には期間や条件があるため、早めに情報収集を始めましょう。

(5)保証期間とアフターサービス

エコキュートは長く使う住宅設備機器です。万が一の故障に備え、製品保証や設置工事保証、そしてメーカーや販売店の提供するアフターサービスは非常に重要になります。

  • 製品保証:
  • 本体: 1年程度が一般的です。
  • 冷媒回路・熱交換器: 3年程度が多い傾向です。
  • タンク(缶体): 5年程度が標準的です。
  • 設置工事保証: 販売店や施工業者によって異なりますが、通常1年程度です。

メーカーにより異なりますが多くのメーカーや販売店では、有償で長期保証(5年、8年、10年など)を提供しています。これにより、保証期間終了後の修理費用負担を軽減できます。

また、故障時の連絡先や修理対応スピード、定期的なメンテナンスサービスの有無なども確認しておくと安心です。特に冬場の凍結など、緊急性の高いトラブルに対応できるかどうかも重要なポイントです。設置を依頼する業者を選ぶ際には、アフターサービス体制がしっかりしているかを確認しましょう。

5.失敗しないためのチェックリスト

エコキュート選びで後悔しないためには、購入前にしっかりと確認しておくべきポイントがあります。ここでは、具体的なチェックリスト形式で、確認事項をまとめました。このチェックリストを活用して、ご家庭に最適なエコキュートを選びましょう。

(1)家族構成・ライフスタイルに合った容量か?

エコキュート選びで最も重要なポイントの一つが、ご家庭に合ったタンク容量を選ぶことです。容量が不足すると、お湯切れの心配や頻繁な沸き増しによる電気代の増加につながります。逆に大きすぎると、本体価格が高くなるだけでなく、使わないお湯を常に保温するための無駄な電気代がかかります。

容量を決める際は、以下の点を考慮しましょう。

  • 家族人数: 基本的なお湯の使用量は人数によって大きく異なります。
  • ライフスタイル:
  • 一日に複数回入浴するか
  • シャワーを頻繁に使うか
  • 来客が多いか
  • エコキュートのお湯をどの程度使うか(キッチン、洗面所など)

一般的な目安は以下の通りです。

家族人数推奨されるタンク容量
2~4人300Lクラス
3~5人370Lクラス
4~7人460Lクラス
5人以上550Lクラス以上

ご家庭の具体的なお湯の使い方を把握し、この目安を参考に最適な容量を選びましょう。将来的に家族構成が変わる可能性も考慮すると良いでしょう。

(2)設置場所のスペースと搬入経路は問題ないか?

エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つで構成されており、ある程度の設置スペースが必要です。特に貯湯タンクは容量によってサイズが異なります。設置場所としては、一般的に屋外の基礎の上に置かれますが、十分なスペースがあるか、周囲に障害物がないかなどを事前に確認しましょう。

また、設置場所への搬入経路も重要なチェックポイントです。製品は完成した状態で運ばれるため、狭い通路や曲がり角、階段などがあると搬入が困難になる場合があります。ご自宅の状況を把握し、スムーズに搬入できるか、またはクレーンなど特殊な搬入が必要になる可能性がないかを確認してください。販売店や工事業者に現地調査を依頼し、設置スペースや搬入経路に問題がないかを事前に確認してもらうことを強く推奨します。

チェックポイント例:

  • 貯湯タンク、ヒートポンプユニットそれぞれの設置に必要なスペース
  • 周囲の壁や隣家との距離(メンテナンススペース確保のため)
  • 搬入経路の幅や高さ、曲がり角の有無
  • 門扉や塀、植栽などの障害物

これらの確認を怠ると、設置工事ができなかったり、追加費用が発生したりする可能性があります。必ず事前に確認しましょう。

(3)必要な機能(高圧、清潔機能など)は備わっているか?

エコキュート選びでは、容量やメーカーだけでなく、ご自身のライフスタイルに必要な機能が備わっているかどうかも重要なポイントです。

特に注目したい機能として、以下の点が挙げられます。

  • 高圧給湯機能: 2カ所以上で同時にお湯を使っても勢いが落ちにくい機能です。シャワーをよく使うご家庭や、2階でも十分な湯圧が必要な場合に便利です。
  • 清潔機能: 浴槽のお湯を清潔に保つための機能です。UV殺菌や銀イオンでの除菌、自動配管洗浄機能などがあります。小さなお子様がいるご家庭や、清潔さを重視する方におすすめです。
  • その他:
  • 省エネ性能を高めるAI学習機能
  • スマートフォン連携機能
  • 入浴剤の使用可否(一部メーカー・機種で制限あり)

これらの機能はメーカーや機種によって搭載状況や性能が異なります。ご家族の使用頻度やこだわりたい点に合わせて、必要な機能が搭載されているか必ず確認しましょう。

機能名主なメリットおすすめのケース
高圧給湯同時給湯時の湯圧維持2カ所同時使用が多い、2階への給湯
清潔機能浴槽・配管の衛生維持小さな子供がいる、清潔さ重視
AI学習機能より効率的な沸き上げ省エネ志向
スマホ連携遠隔操作や使用状況の確認利便性重視

必要な機能を絞り込むことで、より満足度の高いエコキュート選びができます。

(4)住んでいる地域に適した仕様か?

エコキュートを選ぶ際には、お住まいの地域環境に適した仕様を選ぶことが非常に重要です。特に以下の2点に注意が必要です。

  • 寒冷地仕様:
    外気温が-10℃以下になる地域では、通常のヒートポンプユニットでは効率が低下したり、凍結したりするリスクがあります。寒冷地仕様は、低温環境でも安定した能力を発揮できるよう設計されています。
  • 塩害地仕様:
    海岸から近い地域や、潮風の影響を受けやすい地域では、機器の金属部分が錆びやすい「塩害」のリスクがあります。塩害地仕様は、サビに強い耐久性の高い素材や加工が施されています。

ご自宅の地域特性を確認し、必要な仕様を選ばないと、機器の故障や寿命の短縮につながる可能性があります。販売店やメーカーに相談し、地域に適したエコキュートを選びましょう。

地域環境必要な仕様
外気温が低い寒冷地仕様
海岸が近い塩害地仕様

地域特性に合った適切な仕様を選ぶことで、エコキュートを長く安心して使用することができます。

(5)信頼できるメーカー・販売店か?

エコキュートは長く使う家電製品ですから、製品自体の品質だけでなく、メーカーの信頼性や購入・設置を依頼する販売店の質も非常に重要です。

メーカーの信頼性

  • 実績と歴史: 長年の実績があるメーカーは、製品開発や品質管理のノウハウが豊富です。
  • 保証制度: 長期保証や延長保証の有無、内容を確認しましょう。
  • アフターサービス: 修理体制や問い合わせ窓口の充実度も大切です。

主要メーカーは概ね信頼できますが、ご自身の重視する点で比較検討すると良いでしょう。

販売店の信頼性

販売店選びは、設置工事の質やトラブル時の対応に直結します。

  • 専門知識: エコキュートに関する知識が豊富か。
  • 施工実績: 設置工事の実績が豊富で、自社施工か下請けか。
  • 見積もりの明確さ: 詳細な見積もりを提示してくれるか。
  • 対応: 質問に丁寧に答えてくれるか、現地調査をしっかり行うか。

複数の販売店から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。特に、設置工事は専門的な技術が必要なため、信頼できる施工業者を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。

(6)費用対効果は適切か?

エコキュート選びにおいて、初期費用だけでなく、長期的なランニングコストを含めた費用対効果を検討することが重要です。

  • 初期費用:
    本体価格に加え、工事費用や設置費用がかかります。高機能なモデルほど初期費用は高くなる傾向があります。
  • ランニングコスト:
    エコキュートは深夜電力を使用するため、電気代がガス給湯器などと比較して大幅に抑えられます。省エネ性能が高いモデルほど、電気代の削減効果が大きくなります。
項目エコキュートガス給湯器
初期費用高め低め
ランニングコスト安め高め

初期投資はかかりますが、毎月の光熱費削減により、数年で初期費用との差額を取り戻せるケースが多くあります。特に、年間のお湯使用量が多いご家庭ほど、費用対効果は高まります。

価格だけでなく、省エネ性能や耐久性、ご自身のライフスタイルに合った機能などを総合的に判断し、費用対効果が最も高くなるモデルを選ぶようにしましょう。長期的な視点でコストメリットを評価することが大切です。

(7)補助金制度は活用できるか?

エコキュート設置にあたっては、国や自治体から補助金が交付される場合があります。これらの制度を活用することで、初期費用を大きく抑えることが可能です。

主な補助金制度としては、以下のようなものがあります。

  • 国の補助金:
  • 「給湯省エネ2025事業」(名称は変更される場合があります)など、省エネ性能の高い給湯器設置を支援する事業。
  • 対象機器や要件、申請期間が定められています。
  • 自治体の補助金:
  • 各市区町村が独自に実施している補助金制度。
  • 国の補助金と併用できる場合もありますが、重複不可の場合もあります。

補助金制度は期間や予算に限りがあるため、設置を検討する際は最新の情報を確認することが重要です。

制度の種類主な実施主体チェックポイント
国の補助金事業名、対象機器、要件、申請期間、予算状況
自治体の補助金各自治体実施の有無、対象者、要件、補助額、国の制度との併用可否

販売店や施工業者に相談する際も、利用可能な補助金について確認してみましょう。賢く活用

して、お得にエコキュートを導入しましょう。

6.まとめ:後悔しないエコキュート選びのために

エコキュート選びは、初期費用だけでなく、日々の快適さや光熱費にも関わる重要な決断です。後悔しないためには、本記事でご紹介したポイントをしっかりと押さえることが大切です。

前章でご紹介したチェック項目を押さえておけば、あなたの暮らしにピッタリのエコキュートを探すことができます。

ぜひ快適で経済的な暮らしを実現していきましょう。

もしそれでも不安だったり迷うことがあれば、いつでもお問合せください!

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